2011年7月20日水曜日

台風の夜の夢

暴風雨がベランダの窓を容赦なく叩きつけていた。
どこからか、隙間風が通り抜けていく。

僕は、寝苦しさに目を覚まし、エアコンのスイッチを入れた。
涼しい風が全身を通り過ぎると、再び眠りに落ちた。


ウィルのテニスコートに掛けられた手作りの看板が強風に
煽られて、ついに力尽きた。

コートに雨水が流れ込み、砂が膨大に流されて
人工芝がむき出しになっていく。

クラブハウス横のウッドデッキが揺れている。
けたたましく揺れている。

もう駄目だ。
もう駄目だ。
崩壊するのも時間の問題だ。

その時、ウッドデッキの傍らに人影が見えた。

誰だ・・まさか、台風に紛れた盗人っか。

違う。
ウッドデッキを風下から支えている。

今にも、崩壊しそうなウッドデッキを素手で支えている。

誰だ!
・・四股立ちスタイルでしっかりとウッドデッキを支えている。
強靭な下半身。
凄さまじい精神力。

やはり・・だった。



舞コーチだった。


朝になって、目が覚めると僕はウィルに向かった。

髭爺が、破れた手作りの看板を片づけていた。


ウッドデッキは無事だった。

舞コーチはいつもの笑顔だった。


畑コーチは、クラブハウスの長椅子
幸せそうな顔をして、寝ていた。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

また吹き出してしまった
男性陣の憧れの女性像ですね キット
大和撫子 舞コーチ

また壁紙 ス・テ・キ

アラサーdeアラフィ さんのコメント...

しばらく眠っていた作家魂のお目覚め?
連載ありかな?楽しみにしています★

デッキを支えていたのは…髭じいだと思った。
髭じいでは無理だ~みたいなオチかと(^^ゞ

Willを支えていたのは他の誰でもなく
舞コーチだったのね~\(^o^)/