暴風雨がベランダの窓を容赦なく叩きつけていた。
どこからか、隙間風が通り抜けていく。
僕は、寝苦しさに目を覚まし、エアコンのスイッチを入れた。
涼しい風が全身を通り過ぎると、再び眠りに落ちた。
ウィルのテニスコートに掛けられた手作りの看板が強風に
煽られて、ついに力尽きた。
コートに雨水が流れ込み、砂が膨大に流されて
人工芝がむき出しになっていく。
クラブハウス横のウッドデッキが揺れている。
けたたましく揺れている。
もう駄目だ。
もう駄目だ。
崩壊するのも時間の問題だ。
その時、ウッドデッキの傍らに人影が見えた。
誰だ・・まさか、台風に紛れた盗人っか。
違う。
ウッドデッキを風下から支えている。
今にも、崩壊しそうなウッドデッキを素手で支えている。
誰だ!
・・四股立ちスタイルでしっかりとウッドデッキを支えている。
強靭な下半身。
凄さまじい精神力。
やはり・・だった。
舞コーチだった。
朝になって、目が覚めると僕はウィルに向かった。
髭爺が、破れた手作りの看板を片づけていた。
ウッドデッキは無事だった。
舞コーチはいつもの笑顔だった。
畑コーチは、クラブハウスの長椅子
幸せそうな顔をして、寝ていた。
2 件のコメント:
また吹き出してしまった
男性陣の憧れの女性像ですね キット
大和撫子 舞コーチ
また壁紙 ス・テ・キ
しばらく眠っていた作家魂のお目覚め?
連載ありかな?楽しみにしています★
デッキを支えていたのは…髭じいだと思った。
髭じいでは無理だ~みたいなオチかと(^^ゞ
Willを支えていたのは他の誰でもなく
舞コーチだったのね~\(^o^)/
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