あれは17,8年前だった。
大学テニス部同期とひるがのに温泉旅行に行った。
男4人の思いつきの1泊2日の旅行だった。
安いコテージを借りて、明け方までわいわい騒いだ。
昼過ぎに起きて、なんとなく暇だった。
ぶらぶら歩いていると公営のテニスコートがあった。
テニス愛好家達がダブルスゲームに興じていた。
コートが一面空いていた。
僕らは、「またテニスかよ・・」と言いながら
車になんとなくのっているラケットやボールを取りにいった
大学4年の主要大会を終えて
実質引退の身にあった僕らにとって
久しぶりのテニスだった。
パジャマのようなスウェットやらジーパンやら履いた僕らのいでたちは
どこにでもいる無責任な学生だ。
やがて僕らは、ダブルスを始めた。
とても楽しかった。
隣のコートのテニス愛好家達は思わずプレーを中断した。
僕らのプレーは、明らかに目を見張るものがあった。
少なくとも素人のそれではないのだから。
僕らは誇らしかった。なんとも誇らしかった。
僕らのボールの強さや動きの速さ、技術力あっての深いゲーム性。
違う。そんなことが誇らしかったわけじゃない。
そのテニス愛好家達と同じように、僕らもテニスを楽しめることが誇らしかった。
旅先でテニスコートがあって、「テニスでもやる?」といってテニスがやれることが
誇らしかった。
僕らは、テニスのゲームを楽しむ権利を有しているのだ。
僕らは、生涯、旅先でも、休日をあてがわれても、運動不足になっても
いつでもコートとラケットとボールさへあれば、テニスを楽しめるんだと思った。
現役を引退し、なにか終止符を打たれたように思っていたテニスであったが・・。
なんの生産性もないものに随分時間を費やしたかもと考えてもみたときに
素晴らしい発見をした。
そしてこんな素晴らしい権利を販売しているのがテニススクールだ。
ウィルテニスアカデミー 「生涯テニスお楽しみ権利」好評発売中!!
そこのあなた、有してる?