この女は、一体全体どこから来たのだろう
一体全体どんな風に育てられたのだろう
この女とは、そう、キカンジュウ舞だ
添田、錦織、日本男子テニスを文句なしにけん引する二人も
キカンジュウ舞の前では、カスだ 単なるカスだ
「津田コーチ、昨日観ました?」
「あの二人、なんなんですか!あんなのカスですよ!日本男子みんなカスですよ!」
今や、日本のみならず、世界が注目し絶賛している錦織圭選手をもってしても
第1セット第1ゲームを落とした時点で、「カス!」だったようだ
俺は、あの時キカンジュウから、かかってきた電話を思い出した
「もしもし、津田コーチですか?今いいですか?あのーカスが風邪ひいて。ほんとにカス!なんですよ!」
(ナルゴリが風邪をひいたってことか・・・)
「風邪なんて引く男はカスなんですよ!ほんとにカスだから風邪ひくんですよ!それで、明日代わりに・・・」
(風邪ひいたからカスなのか、カスだから風邪ひいたのか・・・俺は彼女に思わず聞きたくなったが、・・・やめよう。とにかく、カスはカスなんだと、彼女は言うに違いない。)
「そうですよね。ダメですよね。分りました、すいません。失礼します。」
(今、電話を切った彼女にとっては、風邪をひいたナルゴリも、代理で入れない俺も、その時横にいたであろう髭爺も、みんなカスだ。
確かにみんなカスだ。
戦争も狩猟もない時代に、男はみんなカスだ。
俺は、ウィルに「カス男矯正クラス」を開校してはどうかと思う。
表向きは「男子中級クラス」とい当たり障りのないネーミングでいい
休みにごろごろしているご主人に苛立ってる奥様方や
会うと疲れ自慢ばかりしている彼を持つ女の子たちから絶大な支持を得るだろう
そして、そのクラスで得た利益で生計を立てるウィルカス男三人衆は
その時もカスだ